2023.3.19

「リトウリンダBOグラフィック展2003 KOBE」本日無事、搬出など終了しました。

リトウリンダのグラフィック展が終わりました。ご来場の皆様、ありがとうございました。
9日間で約800名以上の方のご来場がありました。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

30年ぶりに国内で行ったこの展覧会をあらためて振り返ってみると、本当に多くの方たちの協力があって、はじめて実現したことを痛感しています。この紙面にお名前を記載するとなると、かなり膨大なリストになります。この後、片づけを済ませ、少し時間がかかりますが、個々にお礼のご挨拶をさせていただけたらと思います。

大量の作品の梱包・搬出などに協力して頂いた神野先生をはじめアトリエ凹凸のメンバーの皆さま、搬入・展示などのシビアなリクエストにめげずに応えてくれたいつものメンバー、作品制作において協力して頂いたフォトグラファーの皆さん、印刷などの相談に乗って頂いたプリンティングディレクターの皆さん、そして僕の作品に付き合ってくれた歴代のアシスタントの皆さん、僕の無理難題にもかかわらず作品制作に向き合ってくれたこと、本当に感謝しています。また、お忙しい中、遠方から駆けつけてくださった多くの来場者の先輩・後輩・友人たちに感謝です。今回の展覧会をひとつの節目とし、さらに新しい世界に向けて精進していきたいと思います。

2023年3月19日  リトウリンダ

2023.3.9

リトウリンダ グラフィック展2023神戸が始まりました。

2023年3月9日(木)〜18日(土)の間、兵庫県立原田の森ギャラリーにおいて、「リトウリンダBOサイズグラフィック展 神戸 2023」を開催しています。今回の展示では、シルクスクリーン印刷・オフセット印刷・インクジェットプリントなどの印刷手法を駆使した、ビッグサイズのポスターや版画作品が中心の展示となっています。

今回の「リトウリンダBOサイズグラフィック展」では、約30年間に制作した作品群の中から、主に国際グラフィック展やビエンナーレ展等に出品したポスター作品・シルクスクリーンなどの実験的な作品を中心に会場構成をしています。私はこれまで制作のテーマを「COLOR, LIFE, FORM/イロ・イノチ・カタチ」として概念化し、核なき世界・地球環境・生命の尊さを表現した彫刻作品や、一連のグラフィック作品を発表してきました。しかし、世界では戦争を止めるどころか、ますますエスカレートしています。また、環境汚染や人権などの問題も増すばかりです。こういった厳しい現実が日々続く中で、あらためて自分の作品を並べ、眺めてみると、私が想像していた以上に重く、暗い表現であることに気づきました。今後の作品制作では、10代の頃に真似して描いていたマチスやピカソのような、綺麗な色使いと自由で楽しい発想の作風を目指したいと思います。

[リトウリンダBOサイズグラフィック展 神戸 2023]
会 場/原田の森ギャラリー
    兵庫県立美術館王子分館
    東館2階展示室
会 期/2023年3月9日(木)〜18日(土)
    月曜日休廊 入場無料
時 間/10:00〜18:00(入場は17:30迄)

2023.2.1

3月から始まるリトウリンダの展覧会のお知らせです。

2023年3月9日(木)〜18日(土)の間、兵庫県立原田の森ギャラリーにおいて、「リトウリンダBOサイズグラフィック展 神戸 2023」を開催することになりました。今回の展示では、シルクスクリーン印刷・オフセット印刷・インクジェットプリントなどの手法を駆使した、ビッグサイズのポスターや版画作品が中心の展示となります。

私は2022年12月で70歳を迎えました。デザインのアシスタント時代から数えると、50年が経ちました。創作活動を始めた20歳の頃(70年代初頭)の私は、版画家デビューを目指していて、日夜プリントの実験に明け暮れていました。そんな時幸運にも、ある師匠に誘われデザインの世界に入りました。その後私は、自分のアンテナだけを頼りに東京・NY・関西へと、活動の場を拡げていきました。当時の日本のデザイン会社の多くは、毎日がまるで戦場のような状況でした。私の周りにも、個性溢れるユニークで刺激的な先輩たちが大勢いたので、「いつか僕も、絶対面白い作品を作るのだ。」と、意気込んでいました。当時は、私も若く体力が有ったこともあり、しょっ中徹夜をしていたことを覚えています。仕事内容もポスター・雑誌と、毎日のように新しい媒体が次々と生まれていた時代でした。

しかし今回の展示では、広告全盛期の作品はあえて展示せず、展覧会ポスター中心の展示となります。次に、今回の神戸での「リトウリンダBOサイズグラフィック展」の展示作品について説明します。これまで制作した作品の中から、主に国際グラフィック展やビエンナーレ展等に出品したポスター作品やシルクスクリーンなどの実験的な作品を中心に会場構成をしています。私はこの30年間の制作のテーマを「COLOR, LIFE, FORM/イロ・イノチ・カタチ」として、核なき世界・地球環境・生命の尊さを表現した彫刻作品やグラフィック作品を発表してきました。それでも世界は相変わらず戦争を止めるどころか、ますますエスカレートし、環境汚染や人権などの問題が増すばかりです。こういった現実が日々続く中で、あらためて自分の作品を並べ、眺めてみると、私が想像していた以上に重く、暗い表現であることに気づきました。今後の作品制作では、10代の頃に真似して描いていたマチスやピカソのような、綺麗な色使いと自由で楽しい発想の作風を目指したいと思います。

[リトウリンダBOサイズグラフィック展 神戸 2023]
会 場/原田の森ギャラリー兵庫県立美術館王子分館 東館2階展示室
会 期/2023年3月9日(木)〜18日(土) 月曜日休廊 入場無料
時 間/10:00〜18:00(入場は17:30迄)
※お問合せは、ウラン堂 リトウリンダ/0798-56-8690   books@uran-dou.com

2022.10.16

リトウリンダの11月13日(日)から始まる二人展のお知らせです。

11月13日から始まる二人展のお知らせです。今回は、江戸時代から続く旧家の古民家での展示となります。今回の展示は旧作が中心です。新作は来年(2023年)の3月に行われる兵庫県立原田の森ギャラリーで発表します。

会場の「アートギャラリー河野邸」は大阪の中心地と違い、多くの緑と自然に恵まれた土地柄です。この地には、「和泉市久保惣記念美術館館」などが在り、市民による文化振興が行われています。会場の「アートギャラリー河野邸」も、今後は美術館や地元のアーティスト達と、より連携を計りながら活動を行うようです。オーナーの佐古さん夫妻は、音楽・彫刻家と、ジャンルが違えど現役のアーティストで、楽しい方です。ぜひ、休日のお天気の良い日に和泉市にお出かけしてください。


リトウ リンダ(グラフィック)+佐古馨(木の器) 二人展
Linda Ritoh+Kaoru Sako Collaboration Exhibition at Kawanotei
2022.11/13sun.〜11/27sun.
11:00〜17:00最終日は16:00まで/月曜休廊

シルクスクリーンなどによるプリント手法を駆使した版画やポスターのシリーズ作品を発表し続ける作家リトウリンダと、彫刻家であり、ユニークな木の器を作り続ける作家佐古馨が、ここ河野邸の空間で、互いに挑発し、響き合いながら刺激的なアート・セッションをおこないます。この歴史ある建築空間とは、一見不釣り合いなイメージを与える二人の作家による不思議なセッションとなることが、真の狙いです。強烈なメッセージを内包するリトウリンダのアート作品と、プリミティブで個性の塊そのものの、佐古馨の木の器による、ジャンルを越境した不思議なコラボをお楽しみください。

作家在廊日などの詳しい情報は、11月上旬にギャラリーHP(河野邸)に掲載
https://www.kawanotei.com/
※河野邸アートギャラリーHP・SNSでの情報掲載は、10月下旬頃の予定

ACCESS
[電車の場合]
泉北高速鉄道「和泉中央」駅よりバス乗車 約10分 
南海バス9番のりば 春木川線 「春木川」行き「若樫」行き
1番のりば 緑ヶ丘団地線「美術館前」行き「松尾寺」行き
いずれも バス停「内田上」下車徒歩1分
※本数が少ないので、バスダイヤをご確認ください。 
[お車の場合]
阪和自動車道「岸和田・和泉」インターチェンジ下車約3分 
お車でお越しの際は久保惣美術館の無料駐車場をご利用ください。

[河野邸 アートギャラリー]
営業時間 11:00〜17:00
定休日/月曜日
※展示開催外は閉廊しています

[Laboratoire / Halegina Cafe]
営業時間 11:00〜16:00 
定休日/月曜日・火曜日

住所/大阪府和泉市内田町3-5-11

2022.9.18

「第17回メキシコ国際ポスター・ビェンナーレ 2022」から、ポスター入選の知らせが届きました。

今年もまた、メキシコから嬉しいニュースが届きました。私の作品は、環境や戦争をテーマにしているので、世界中で戦争や災害が続いているので複雑な気持ちでいっぱいです。

2年に一度メキシコの美術館で開催される国際ポスター・コンペティション「第17回メキシコ国際ポスター・ビェンナーレ 2022」から、私(リトウリンダ)のポスター作品が入選したとの知らせが届きました。

初めてエントリーした24年前の第5回(1998年)〜今回の第17回(2022年)までの間、幸運なことに8回も連続的に入選させていただきました。(1998年・2000年・2004年・2006年・2008年・2018年・2020年・2022年)これまでの私の一連のポスターシリーズは多くの仲間たちに支えられ、プロジェクトが実現しました。取り急ぎですが、この場をお借りしてお礼とご報告を申し上げたいと思います。

これまで私は、あまり日本国内で纏まった展覧会をせずにきました。元来、不精者の上、制作ばかりに夢中になっていたことで、まともなご報告をせず、今日に至ってしまいました。そういう事もあって、この紙面をお借りして、来年の3月に神戸で行われる私の展覧会「リトウリンダ回顧展+新作展(仮称)/兵庫県立原田の森ギャラリー」のご報告をさせていただく事になりました。この神戸での展覧会では、これまでの約30年間に渡る私のアートワークとポスターシリーズを囲んで、関わっていただいた方々と当時のお話しができればと、思います。神戸での展覧会では、ご協力していただいた全ての方のクレジットも添付する予定です。

〈今回の入選作品〉
“17th International Poster Biennial in Mexico / 2022”
Title : NO WAR-Children are watching

アートディレクター・デザイナー/リトウリンダ/Linda Ritoh
コピーライター/リトウリンダ/Linda Ritoh
フォトグラファー/奥村達也/Tatsuya Okumura
プリンティング・ディレクター/TWO-JAPAN

〈初めての入選作品2点/参考掲載〉
“5th International Poster Biennial in Mexico / 1998”
Title : Linda Ritoh Exhibition – Double Personality

アートディレクター・デザイナー/リトウリンダ/Linda Ritoh
コピーライター/リトウリンダ/Linda Ritoh
フォトグラファー/森山智彦/Tomohiko Moriyama
プリンティング・ディレクター/株式会社大塚孔版

2022.2.28

2022年「The 4th Block/ウクライナ」について

踏み躙られた怒り、悲しみ、失望。
祈る事しか、出来ない強烈な挫折。
いつも、弱き人達のそばにいます。
Trampled anger, sadness, disappointment.
A strong setback that can only be prayed.
May you always be on the side of the weak.

私はこれまで誤解を避けるため、自分の思想信条などをSNSなどで公開することを避けてきました。政治や宗教などの問題について、私自身が勉強不足であることもあり、敢えて避けてきました。しかし、今回のウクライナの件だけは我慢ができず、ここに公開することにしました。

毎朝毎晩、ウクライナから悲しいニュースが続いています。他方で、(一見)平和で安全そうな日本にいて、日々流れてくる彼らの悲痛な訴えを見ても、何もアクションを起こさず、ただ指を咥えてオロオロしている自分に、情けなさと後ろめたさを感じています。それもあって、私が行なってきたグラフィックポスターやアートワークなどの活動すら、「机上の綺麗事」に思え始め、これまでの信念が揺らいでいます。若い頃によく模写していたピカソのゲルニカや、影響を受けた内戦下の時代のポーランドのポスターのことを、今もう一度思い出して、その意味をおさらいしています。同時に、グラフィックデザイナーの仕事やアートの表現とは何の意味があるのか、このままで良いのかと、自問自答している毎日です。

くしくも、核・反戦・人権・生命・環境をテーマにした私のポスター作品の一連が、つい最近までウクライナのポスター美術館「The 4th BLOCK」で取り上げられ、展示されていました。ここに掲載されている写真は、2018年に行われたポスタービエンナーレでの風景の一部です。この頃のウクライナの人達も皆穏やかな顔で、自由な空気を満喫していました。

近年、ウクライナの人達はこういったデリケートな問題に正面から取り組み、世界に訴えて来ました。この際、私達の作品(写真家奥脇氏との共作です)などは、どうなっても良いのですが、ウクライナの罪の無い一般市民の生命だけは、何としても助かって欲しい。理由がなんであれ、他国への侵略と武力攻撃は許されるものではない。連絡が途絶えた今、祈ることしかできない自分の無力感に、押し潰されそうです。私達の作品も、何の力にもなれずに、ウクライナで泣いている。ただただ、これ以上の犠牲者が出ないことを祈るばかりです。

リトウリンダ

2022.2.26

2022年「The 4th Block/ウクライナ」について

踏み躙られた怒り、悲しみ、失望。
祈る事しか、出来ない強烈な挫折。
Trampled anger, sadness, disappointment.
A strong setback that can only be prayed.

くしくも、核・反戦・人権・生命・環境をテーマにした私のポスター作品の一連が、ウクライナのポスター美術館で展示されていました。近年、ウクライナの人達はこういったデリケートな問題に正面から取り組み、世界に訴えて来ました。私の作品(写真家との共作)などは、どうなっても良いのですが、ウクライナの罪の無い一般市民の生命だけは何としても助かって欲しい。どんな理由があれ、他国への侵略と武力攻撃は許されるものではない。連絡が途絶えた今、祈ることしかできない自分の無力感で押し潰されそうです。私の作品達も、何の力にもなれずに、ウクライナで泣いている。ただただ、これ以上の犠牲が出ないことを祈るばかりです。

リトウリンダ

2021.11.17

第16回メキシコ国際ポスタービエンナーレ2020からの便り

メキシコの美術館が2年毎に開催する国際ポスター展の入選の知らせと共に、私の作品が掲載された図録が10月に送られて来ました。メキシコもコロナ禍の被害が大きかった為、ポスタービエンナーレ展の開催そのものが危ぶまれていただけに、この図録を見て、感慨深いものがあった。今後、この2021年は、いろいろな意味で記憶に残る特別な年になることでしょう。

2年に1度開催されるこのポスタートリエンナーレとは不思議と縁が有り、過去にに何度か入選しています。(あくまで私見ですが、)このメキシコ国際ポスタービエンナーレは他のヨーロッパ系のグラフィック・ポスターコンペとも、アメリカの広告デザイン系のポスターコンペとも一線を画した、メキシコ独特のお国柄を感じさせるラテン的な感性とエネルギーに満ちている作品がセレクトされている気がします。世界のグラフィックデザインの猛者達がエントリーするコンペのため、なかなか簡単に上位入賞とはなりませんが、私にとって、常に全力でトライし続けたい、魅力的なポスターコンペディションです。

今回もまた、「写真の力」で入選することができました。今回はファッション写真を得意とするフォトグラファー、梅本さん(マハロスタジオ)とのコラボ作品が入選しました。梅本さんはじめ、スタッフの皆さんありがとうございました。

これを機に、過去のエントリー作品・入選作品などを解る範囲で整理をしてみました。これまでお世話になった写真家の皆さま関係者の皆さまありがとうございました。

[メキシコ国際ポスタービエンナーレ] エントリー・入選作品 アーカイブ

2020(第16回)/リトウリンダ(D)、梅本吉成(P)
2018(第15回)/リトウリンダ、奥脇孝一(P)
2010/メキシコ革命100年・独立200年記念/「Voices in Freedom」招待作家展/リトウリンダ(D)
2008(第10回)/リトウリンダ(D)(P)
2006(第9回)/リトウリンダ(D)、浅田洋(P)、奥脇孝一(P)、上田祐勢(P)
2004(第8回)/リトウリンダ(D)、上田祐勢(P)、梅本吉成(P)、有本ヒデヲ(P)
2000(第6回)/リトウリンダ(D)(P)、森善之(P)、有本ヒデヲ(P)
1998(第5回)/リトウリンダ(D)、森山智彦(P)敬称略

2021.10.6

3年に一度行われる国際グラフィックトリエンナーレ
「ラハティ国際ポスタートリエンナーレ2022/フィンランド」に入選しました。

昨年、3年に一度フィンランドのラハティで行われる国際ポスターデザインコンペに久しぶりにエントリーしました。(第15回/2005年・第16回/2007年・第17回/2009 年に続き、)今回で4回目、12年ぶりの入選となり、来年(2022年)オープンする新美術館(New Lahti Museum of Visual Art Malvasia)で展示していただけるという通知が届きました。僕も以前から、ラハティ国際ポスタートリエンナーレ/フィンランドのコンセプトや環境などの考え方には、大いに共感するものがあったので、このコンペで選出されることは、デザイナーとして名誉に感じています。
特にこの何年間はコロナ禍などもあって、僕を取り巻く環境・社会構造・スピードなどが大きく変わり過ぎた。そうゆう中での入選ということで、素直に仲間達と喜びを分かち合いたいと思います。今回もまた、「写真の力」で入選することができました。フォトグラファーの奥脇孝一さんありがとございました。僕も今後、今まで以上に、よりストイックにグラフィックデザインと向き合いたいと思います。また、このシリーズには多くの方に参加・協力して頂いています。その結果として、数多くのコンペで受賞することができました。コロナが明け、落ち着いた頃には、これまで参加して頂いたフォトグラファーの方や関係者の皆様一人ひとりにお礼のご報告をしたいと思います。

リトウリンダ

2021.7.24

デビュー記念日・なんばハッチ開業/2002年7月16日 

なんばハッチ(港町リバープレイス)/施設デビュー&プロモーション
メディアート(アド近鉄)+リビドゥ&リンダグラフィカ

この日突如、旧湊町駅跡の「地下鉄なんば駅(現大阪メトロなんば駅)」前に、まるで巨大な宇宙船のような8角形の超未来的建築物「なんばハッチ」が出現した。この施設ができるまでは、寂れた大阪南の一角でしかなかった。このエリアを「湊町リバープレイス」と呼び、大阪ミナミエリアを覚醒さすことを目的に作られた。偶然ではあるが、オープニングイベントは「大阪〜シカゴブルースフェス」が開催され、私の兄と友人たちが関わっていた。その後、国内外の数々のコンサートやイベントに利用され、今では大阪を代表する多目的ホールとなった。

リビドゥデザインチームは施設のオープニング&プロモーション用に関わらせていただいた。残念ながら、得意ジャンルであるロゴデザインとブランディングなどには、設計上の都合で関われなかった。今思えば、ブランディングデザインの一貫性を図るために、積極的にロゴを提案すべきだったと悔やまれる。私も若かったが、ビジュアルデザインも若くて元気がある。これも今では懐かしく思う。

[制作・撮影秘話]
この施設のオープニング&プロモーション用の写真撮影のことは今も印象に残っている。ビルの屋上からなんばハッチを望む撮影となり、屋上で待機することになった。いつも細かな撮影ディレクションをする私だが、この日はベテランの写真家だったので、アングルとフレーミング以外は全てをカメラチームに委ねることにした。
朝から絶好の天気に恵まれ、日暮れ時のシャッターチャンスが来るのを待った。やがて、美しい薄暮の時間が訪れ、それまでリラックスしていたカメラチームが、急に緊張感に包まれた。僕はその時カメラマンから、「刻一刻と変わる微妙な光の美しさを逃すまい、絶対に切り撮るのだ」という強い意志みたいなものを感じていた。風景カメラマンとして名高い樋口さんの愛機は、4×5タイプとペンタ6×7型のズッシリと重いフィルムカメラで、シャッターを切る度に“ガシャ”と大きな音がした。ストップウォッチを見ながら、息をころし、露出とタイマーに没頭していた老カメラマンがあまりに格好よかったので、僕はその後、直ぐにペンタ6×7を買いに走った。
この重く、シャッター音も特別大きなフィルムカメラは、つい最近まで僕の愛機となって頑張ってくれた。チャンスを与えてくれたクライアント、仕事仲間、ペンタ6×7に感謝。

なんばハッチ(港町リバープレイス)/施設デビュー&プロモーション

Creative Directer / Akio Zenitani
銭谷明夫

Art Director / Linda Ritoh
リトウリンダ

Desiginer / Linda Ritoh, Chika Yosizawa
リトウリンダ 吉澤智華

Copywriter / Hiroyo Iwatsuk
岩槻浩世

Photographer / Higuchi, Kameoka, Ueda
スタジオウィズ / 樋口・亀岡 上田写真事務所