2022.9.18

「第17回メキシコ国際ポスター・ビェンナーレ 2022」から、ポスター入選の知らせが届きました。

今年もまた、メキシコから嬉しいニュースが届きました。私の作品は、環境や戦争をテーマにしているので、世界中で戦争や災害が続いているので複雑な気持ちでいっぱいです。

2年に一度メキシコの美術館で開催される国際ポスター・コンペティション「第17回メキシコ国際ポスター・ビェンナーレ 2022」から、私(リトウリンダ)のポスター作品が入選したとの知らせが届きました。

初めてエントリーした24年前の第5回(1998年)〜今回の第17回(2022年)までの間、幸運なことに8回も連続的に入選させていただきました。(1998年・2000年・2004年・2006年・2008年・2018年・2020年・2022年)これまでの私の一連のポスターシリーズは多くの仲間たちに支えられ、プロジェクトが実現しました。取り急ぎですが、この場をお借りしてお礼とご報告を申し上げたいと思います。

これまで私は、あまり日本国内で纏まった展覧会をせずにきました。元来、不精者の上、制作ばかりに夢中になっていたことで、まともなご報告をせず、今日に至ってしまいました。そういう事もあって、この紙面をお借りして、来年の3月に神戸で行われる私の展覧会「リトウリンダ回顧展+新作展(仮称)/兵庫県立原田の森ギャラリー」のご報告をさせていただく事になりました。この神戸での展覧会では、これまでの約30年間に渡る私のアートワークとポスターシリーズを囲んで、関わっていただいた方々と当時のお話しができればと、思います。神戸での展覧会では、ご協力していただいた全ての方のクレジットも添付する予定です。

〈今回の入選作品〉
“17th International Poster Biennial in Mexico / 2022”
Title : NO WAR-Children are watching

アートディレクター・デザイナー/リトウリンダ/Linda Ritoh
コピーライター/リトウリンダ/Linda Ritoh
フォトグラファー/奥村達也/Tatsuya Okumura
プリンティング・ディレクター/TWO-JAPAN

〈初めての入選作品2点/参考掲載〉
“5th International Poster Biennial in Mexico / 1998”
Title : Linda Ritoh Exhibition – Double Personality

アートディレクター・デザイナー/リトウリンダ/Linda Ritoh
コピーライター/リトウリンダ/Linda Ritoh
フォトグラファー/森山智彦/Tomohiko Moriyama
プリンティング・ディレクター/株式会社大塚孔版

2022.2.28

2022年「The 4th Block/ウクライナ」について

踏み躙られた怒り、悲しみ、失望。
祈る事しか、出来ない強烈な挫折。
いつも、弱き人達のそばにいます。
Trampled anger, sadness, disappointment.
A strong setback that can only be prayed.
May you always be on the side of the weak.

私はこれまで誤解を避けるため、自分の思想信条などをSNSなどで公開することを避けてきました。政治や宗教などの問題について、私自身が勉強不足であることもあり、敢えて避けてきました。しかし、今回のウクライナの件だけは我慢ができず、ここに公開することにしました。

毎朝毎晩、ウクライナから悲しいニュースが続いています。他方で、(一見)平和で安全そうな日本にいて、日々流れてくる彼らの悲痛な訴えを見ても、何もアクションを起こさず、ただ指を咥えてオロオロしている自分に、情けなさと後ろめたさを感じています。それもあって、私が行なってきたグラフィックポスターやアートワークなどの活動すら、「机上の綺麗事」に思え始め、これまでの信念が揺らいでいます。若い頃によく模写していたピカソのゲルニカや、影響を受けた内戦下の時代のポーランドのポスターのことを、今もう一度思い出して、その意味をおさらいしています。同時に、グラフィックデザイナーの仕事やアートの表現とは何の意味があるのか、このままで良いのかと、自問自答している毎日です。

くしくも、核・反戦・人権・生命・環境をテーマにした私のポスター作品の一連が、つい最近までウクライナのポスター美術館「The 4th BLOCK」で取り上げられ、展示されていました。ここに掲載されている写真は、2018年に行われたポスタービエンナーレでの風景の一部です。この頃のウクライナの人達も皆穏やかな顔で、自由な空気を満喫していました。

近年、ウクライナの人達はこういったデリケートな問題に正面から取り組み、世界に訴えて来ました。この際、私達の作品(写真家奥脇氏との共作です)などは、どうなっても良いのですが、ウクライナの罪の無い一般市民の生命だけは、何としても助かって欲しい。理由がなんであれ、他国への侵略と武力攻撃は許されるものではない。連絡が途絶えた今、祈ることしかできない自分の無力感に、押し潰されそうです。私達の作品も、何の力にもなれずに、ウクライナで泣いている。ただただ、これ以上の犠牲者が出ないことを祈るばかりです。

リトウリンダ

2022.2.26

2022年「The 4th Block/ウクライナ」について

踏み躙られた怒り、悲しみ、失望。
祈る事しか、出来ない強烈な挫折。
Trampled anger, sadness, disappointment.
A strong setback that can only be prayed.

くしくも、核・反戦・人権・生命・環境をテーマにした私のポスター作品の一連が、ウクライナのポスター美術館で展示されていました。近年、ウクライナの人達はこういったデリケートな問題に正面から取り組み、世界に訴えて来ました。私の作品(写真家との共作)などは、どうなっても良いのですが、ウクライナの罪の無い一般市民の生命だけは何としても助かって欲しい。どんな理由があれ、他国への侵略と武力攻撃は許されるものではない。連絡が途絶えた今、祈ることしかできない自分の無力感で押し潰されそうです。私の作品達も、何の力にもなれずに、ウクライナで泣いている。ただただ、これ以上の犠牲が出ないことを祈るばかりです。

リトウリンダ

2021.11.17

第16回メキシコ国際ポスタービエンナーレ2020からの便り

メキシコの美術館が2年毎に開催する国際ポスター展の入選の知らせと共に、私の作品が掲載された図録が10月に送られて来ました。メキシコもコロナ禍の被害が大きかった為、ポスタービエンナーレ展の開催そのものが危ぶまれていただけに、この図録を見て、感慨深いものがあった。今後、この2021年は、いろいろな意味で記憶に残る特別な年になることでしょう。

2年に1度開催されるこのポスタートリエンナーレとは不思議と縁が有り、過去にに何度か入選しています。(あくまで私見ですが、)このメキシコ国際ポスタービエンナーレは他のヨーロッパ系のグラフィック・ポスターコンペとも、アメリカの広告デザイン系のポスターコンペとも一線を画した、メキシコ独特のお国柄を感じさせるラテン的な感性とエネルギーに満ちている作品がセレクトされている気がします。世界のグラフィックデザインの猛者達がエントリーするコンペのため、なかなか簡単に上位入賞とはなりませんが、私にとって、常に全力でトライし続けたい、魅力的なポスターコンペディションです。

今回もまた、「写真の力」で入選することができました。今回はファッション写真を得意とするフォトグラファー、梅本さん(マハロスタジオ)とのコラボ作品が入選しました。梅本さんはじめ、スタッフの皆さんありがとうございました。

これを機に、過去のエントリー作品・入選作品などを解る範囲で整理をしてみました。これまでお世話になった写真家の皆さま関係者の皆さまありがとうございました。

[メキシコ国際ポスタービエンナーレ] エントリー・入選作品 アーカイブ

2020(第16回)/リトウリンダ(D)、梅本吉成(P)
2018(第15回)/リトウリンダ、奥脇孝一(P)
2010/メキシコ革命100年・独立200年記念/「Voices in Freedom」招待作家展/リトウリンダ(D)
2008(第10回)/リトウリンダ(D)(P)
2006(第9回)/リトウリンダ(D)、浅田洋(P)、奥脇孝一(P)、上田祐勢(P)
2004(第8回)/リトウリンダ(D)、上田祐勢(P)、梅本吉成(P)、有本ヒデヲ(P)
2000(第6回)/リトウリンダ(D)(P)、森善之(P)、有本ヒデヲ(P)
1998(第5回)/リトウリンダ(D)、森山智彦(P)敬称略